週刊おさむ誌

元マンガ編集者が細々と

侵略!イカ娘 第3話

オチが無いだのと言われながらも主人公の可愛さで人気を得ている「イカ娘」の3話。

怖くなイカ?――チキンライフセーバーホタルイカ。芥川さん。
天敵じゃなイカ?――人間の手足は蛇足。シャチの極悪面。
新入りじゃなイカ?――渚「世界がおかしい」。これでいいじゃなイカ。

個人的に今回は一番面白かったです。特に怖くなイカ?が。テンポも良かったし。
栄子たち「幽霊怖い」  イカ娘「幽霊よりシャチとかサメのほうが怖いし」
こういう内容の口論をするシーンでイカ娘と栄子たちの間に墓石を割り込ませて認識の齟齬を強調してましたね。


3話は全体的に価値観のすれ違いがテーマとしてあるように思います。

  • 怖くなイカ?

幽霊を信じないイカ娘⇔幽霊信じる栄子たち (個人間レベルでのすれ違い)

  • 天敵じゃないか?

シャチの浮き輪を知らない(ので本物だと勘違いして水生生物として怖がる)イカ娘⇔知っている人間たち (種族間レベルのすれ違い)

  • 新入りじゃないか?

浜辺(海の家れもん)の外から来た渚⇔海辺にいる人間たち (世界観レベルのすれ違い)

特に新入りじゃないか?でのすれ違いは、イカ娘のいない世界からやってきた渚がイカ娘を怖がっていて、視聴者の現実に依拠した価値観からしてみれば至極まともな反応であるはずなのに、栄子と千鶴に変な子扱いされるという面白いものです。海の家にやってくる客もイカ娘のことを全く怖がりません。
これはドラえもんの世界の住人がドラえもんの存在を疑わないのと同じことです。のびたたちの前でドラえもんを怖がったらきっと変な奴だと思われるでしょう。
渚の言った「世界がおかしい」はついこの前まで自分のいた日常の世界と海の家れもんでの日常世界のズレからきた発言です。