森山中教習所/真造圭伍
友人が貸してくれて、読んでみたらこれが面白かった。
- 作者: 真造圭伍
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/08/30
- メディア: コミック
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無気力というか、冷めた大学生の主人公(清高)とかつて高校の同級生であったヤクザ(轟木)が、田舎の非公認教習所にひと夏のあいだ通うミニマルなストーリーです。
読み進めていくと、なんだか静かな「邦画」を観ているような感覚に陥りました。
とても牧歌的でノスタルジーただよう、そんな雰囲気に包まれた物語です。
その起因となる大きな要素があの味のある絵だと思うのですが、なにより陰影や間の取り方や細かな所作の描き方が絶妙なんですね。
そこで人物の内面が読み取れたりしてなかなか読みがいがあります。
終盤は教習所で共に生活を送っていた登場人物たちはバラバラに別れてお互いの生活に戻るのですが、直接接触することはなくともお互いを気にかけ合っている関係のユルさが描かれています。
作者もあとがきで
“一生会えないけど大切な友人がいたりする”
と記しているように、この「緩い関係」
というのがこの作品の中で重要なテーマなのでしょう。